戻る 長野県の怪異伝承16件
赤子石
落城の折、逃げてきた奥方が石の上で出産したが、赤子はすぐに死んでしまった。赤子は石の下に埋められ、奥方はその地を去った。それから、この石にお参りすると赤子の夜泣きが治るようになった。
青獅子(瑠璃寺)
寺に伝われる獅子舞の青獅子は、不動滝から現れたと伝えられている。雨乞いに用いられる。
愛宕さま(木沢 正八幡神社)
若殿が百姓一揆で殺され、この地に埋葬され、祠が建てられた。その祠は、向きを変えてもいつの間にか木沢八幡のある南を向くのだという。
阿弥陀如来(長谷寺)
この地に流されてきた白助の翁が、説法を行った僧に沐浴をしてもらったところ、阿弥陀如来へと姿を変えた。浴室はないが、建物の板は残っている。
飯縄大権現(飯縄山)
飯縄権現信仰の総本山。その姿は白狐に乗る烏天狗で描かれる。足利義満、上杉謙信、武田信玄ら武士に信仰されたことで知られる。
言成地蔵(言成不動尊)
言成地蔵は、前を通る者は前で下馬する習わしになっていた。しかし、ある侍が下馬しなかった結果、地蔵の前で落馬してしまった。怒った侍が地蔵を袈裟懸けに切りつけたが、侍は後に病死した。傷ついた地蔵は今でも袈裟で巻かれている。
石芋(青木村)
弘法大師がこの地を訪れて芋を洗っている婆さんに芋を所望したとき、芋は石のように硬いと言って断られた。婆さんは夕食に芋を食べようとしたが本当に硬く食べられなくなっていた。それからこの地で里芋を石芋と呼ぶ。地図は青木村沓掛。
石舟(石舟神社)
山家神社の白山の女神が夫である神に追われ、石の舟に隠れたという伝説が残る。現在は石舟らしきものはなく、神社だけがある。
一本杉(福島正則荼毘所跡)
福島正則の荼毘所跡には、かつて杉が植えられており、傷つけると血を流すと言われていた。昭和九年に台風で倒れており、現在の杉は別の木。
犬飼の清水跡
殿様が通ったとき、飼い犬が腹痛を起こした。この清水を飲ませたところ、治ったため犬飼の清水と呼ばれていた。
いぼ神さま(いぼ池霊神)
川底などにある岩に水流で開けられた丸い穴が甌穴おうけつであるが、こちらのいぼ神様は、くぼみの水を肌につけるとイボが取れると言われている。
姨石(長楽寺)
年老いた親が捨てられたという姥捨山があり、姥石という巨石の上に捨てられたとも、姥の怨念が石になったとも言われる。
オトボウ鯰
音坊という力自慢の男が、悪さをする大鯰を縛り上げた。ところが、坂を登っている途中で逃げられてしまった。その坂を鯰坂という。
切石の七妙石
切石という地には奇石があり、七妙石と言われる。そのうちの一つ、切石は弁慶と義経が落ち延びる際、道を塞いでいた石を切ったと言われる。また、鬼が蛙と間違えて睨みつけ、怖じけて死んでしまったという蛙石もある。
八面大王(魏石鬼窟)
坂上田村麻呂と戦った八面大王が立てこもった岩屋がある。
ヒヒ(光前寺)
白羽の矢を立て、娘を生贄にする習わしが見付天神社にあった。旅の僧が神の声を聞き、早太郎という犬を恐れていることを知った。光前寺で早太郎を借り、生贄の娘の代わりにしたが、早太郎が食い殺した神の正体は老ヒヒだった。早太郎は光前寺まで戻ったが力尽きた。
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