千人の垢を落としたら如来が出てきた件

法華寺には浴室があります。これは「から風呂」である、蒸し風呂の一種です。
作られたのは奈良時代ですが、建物自体は明和3年(1766年)に再建されたものになります。

法華寺の浴室

ここで起きたとされる伝説は、以下のとおりです。

光明皇后は聖武天皇の后です。皇后は庶民の救済にも力を入れ、施薬院やくいんを作り、庶民のために薬を与えました。
救済の一つとして、この浴室で千人の病人のあかを流す業を行ったところ、千人目がらい病患者であった。この者の膿を口で吸ったところ、その病人が光り輝き、阿閦如来の姿を表したというものです。

さて、この話ですが、非常に不思議だったのは、割と常識のように語られている話なのですが、出典がなかなか分からなかったというところでした。

どうやらこの話、昔は教科書にも載っていたそうで。そりゃ常識のように知られてたわけです。
ただ、膿を吸ったことと阿閦如来に変わったことは書かれていません。
初等科国語. 第3

なお、古い出典のものは東南院文書に出てきます。1165年のものです。
興味があったらお読みください。
https://shosoin.kunaicho.go.jp/documents/?id=0000011025

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