観光で有名な嵐山ですが、こちらの滝口寺に新田義貞の首塚があります。

新田義貞といえば、鎌倉幕府を滅ぼした武将です。その後の南北朝期には室町幕府を開いた足利尊氏と対立し、京を追われることになります。
南朝方として北陸で勢力を蓄えようと画策していましたが、討ち死にしました。その場所とされているのが、福井市の新田塚町です。

結果的に破れはしましたが、明治維新後は南朝が正当な朝廷とされたこともあり、楠木正成と並んで忠臣として注目されることになります。

しかし、太平記には勾当内侍（こうとうのないし）という美人を恩賞に与えられ、色恋にうつつを抜かして出陣が遅れたという描写があります。義貞の首は京都でさらされることになるのですが、その首を勾当内侍が持ち去り、この滝口寺で菩提を弔ったというのです。

太平記は歴史書ではなく軍記物であり、うつつを抜かしたという記載が正しいかどうかはわかりません。しかし、勾当内侍の方も愛が深かったからこそ首を奪ったという物語には、説得力はあるように思えます。

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