草を食べる馬面の魚

馬魚と書いてウマウオと言うようです。
ワタカと言い、琵琶湖にいる固有種(あるいは、遺存種)です。絶滅危惧種でもあるこの魚、昔から内山永久寺や石上神社の池に生息しているようです。

それには、次のような逸話かあります。

後醍醐天皇が笠置山から吉野に逃れる際、一時的に内山永久寺に立ち寄った。
その際、今まで乗ってきた馬が倒れてしまった。介抱の甲斐なく死んでしまい、その霊が馬面で草を食べる魚として池に現れた。

一方、石上神宮には別の話もあります。

追手に見つかることを恐れた後醍醐天皇の家来が嘶いた馬の首をはねた。その後、馬の霊が石上神宮の池に現れた、というものです。

それらの話はこちらに載っています。石上神宮HP
ここではウマウオではなくバギョと記載されています。

ちなみに、同じ話が天理市観光協会の方にも載っているのですが、大丈夫なのかと心配にはなります。

それはさておき、惜しまれて死んだか、邪魔だったので殺されたか、どちらにせよワタカを馬の霊であるとする点では共通のようです。

さて、行ってみたのは天理市の内山永久寺跡です。こちらは随分と大きな寺院だったようですが、廃仏毀釈の際に廃寺となり、今や池しか残っていません。

かつての内山永久寺の姿

池も濁っていますので、ワタカを確認することはできませんでした。ワタカはここに写真がありますが、私には馬面には見えませんでした。

どうやら桜の名所でもあるようですので、そういう季節に行ってみるのも良いのではないでしょうか。

今回の場所はこちら


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