夫婦の牛を祀った塚 ── 牛塚

 昔、ある農家によく働くひとつがいの牛がいました。 ところがある日、雄牛は働き過ぎて疲労が重なり、手当のかいもなく、死んでしまいました。 家の人はたいそうがっかりしましたが、せめて牝牛だけでも元気で働いてほしいと思い、毎日、おいしいエサを与えました。  しかし、牝牛は雄牛が死んだショックが大きかったのでしょう、日に日に元気がなくなり、食事もとらなくなりました。  雄牛を慕うその姿を見て、家の人はふ

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